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| (C)2007 トライネットエンタテインメント/竹書房 |
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美大生の早瀬耕平は、ある事件から寡黙で他人とかかわろうとしない深水ノボルに興味を持つようになる。そんな耕平の前に、ノボルの双子の弟だというリュウが現れる…。
人と人が惹かれあうのはごく自然ななりゆき、たとえその相手が同性であっても―。
青春の光と影を鮮やかに切り取り、繊細に描いた堀江慶監督の最新作『いつかの君へ』。今回ファンムーは、本作でストーリーテラー的役割である早瀬耕平を演じた河合龍之介さんに単独インタビュー。ピュアで温かく、優しい素顔に迫ります。
●多分こんな経験は誰にでもあると思う。
色々な人に共感してもらえる映画だと思います。
― 脚本を読んだ時の印象を聞かせてください。
「こういう役はやりたかったんですよ。自分の心の奥にある引き出しから、明るい役を今のうちに引き出しておかなきゃな、と思いましたし。堀江さんが監督で、共演の斎藤工くん(深水ノボル・リュウの二役)はずっと前から知り合いで、それで決めました」
― 役作りはどのようにされたのでしょう?
「撮影に入るまでの時間があまりなかったんで、斎藤くんと二人で、現場で役作りをして行きました。撮影期間は1週間くらいしかなかったんですが、堀江監督には明確なイメージがきちんとあって、スタッフさんもプロフェッショナルな方ばかりでした」
「僕は“役に入り込む”ということはしないんです。入り込んだ時の自分というものをあまり信用していなくて…。“独りよがりな芝居をしだすと、結果的に役が見えなくなる”ということに最近気付いたんです。監督からは、短い時間で役柄についての特徴や『こういう風にやって欲しい』という注文は受けました。現場で監督からの客観的なアドバイスを信頼して、現場にあるものを、ひとつひとつすくい上げて芝居に結びつけていくことが大事だと思っています」
― 綺麗な場所でのロケでしたが、何かエピソードは?
「湖でカヤックに乗っていて溺れるシーンがあるんですが、カヤックの練習の時間が少ししかなくて、なかなかまっすぐ進めなくて(笑)。カメラのフレームから出て行っちゃったりして、大変だったんですよね。2月の寒い時期の撮影で、溺れるのも頭から突っ込むんで、本当に大変でした」
― 斉藤さんとのラブシーンはとても綺麗でしたが、普段お友達同士ということで照れはありましたか?
「多少はあったかもしれないですけど。工くんのことを信頼していたし、綺麗な顔をしてるじゃないですか(笑)。女に見ようと思ったら見えるんで(笑)」
― 色々なシーンがあるので、どちらが男性でどちらが女性の立場なのか、ごちゃごちゃになったりは?
「なりましたよ。基本、混乱してましたね(笑)。でも出来上がったものを観たら、監督がちゃんと方向付けて演出してくれていたんだな、ということが分かりました。監督が『信頼してくれていいから』とおっしゃっていたので、『すごいな、監督は』と思いましたね」
― 自分がもう一人いたらな、ということを考えたことはありますか?
「自分が双子だったら、って考えたりしますよ。もう一人は明るいんじゃないかな。僕は人と接する時に距離を置いてしまうんです。今回の役みたいに、相手の懐にフッと入って行けたらな、と思いますね」
― この世界に入られたきっかけを教えてください。
「高校生の時に『キッズ・リターン』(96/北野武監督)を観て、映画の作り手のほうに興味を持ちました。スカウトされて役者を始めたんですが、『現場で作り手の仕事を見てみたい』という気持ちから入りました。役者に関してはゼロからのスタートで、最初は何をやってもうまく出来なくて…。吸収することが多くて、積み上げて行けるものがたくさんあるのを見つけた時は嬉しかったですね」
― とても映画がお好きだと伺いました。
「映画は映画館へ行ってまず観ます。ちょっとでも時間があったら、必ず行きます。気分転換になるし、行けば行くほど価値観が変わるし…。観るジャンルも問わないですね」
「邦画が好きなんです。最近は女性監督の感性に注目していますね。去年の一押しが『ゆれる』(06/西川美和監督)だったんです。『脚本がスゴイ!』と思いました」
― 「あの役を自分が演じたら…」と考えながら観たりしますか?
「『あの役の気持ちが…』とか、そういうの全然ないんですよ(笑)。役者になった今でも、本当に楽しんで観てるんです。脚本を与えられて読む時も、『自分の役が』というよりは『客観的に見たらこんな絵になるのかなあ』と、まず思って、その絵の中で『役がどの位置にあるのかな』と思ってしまうんです。外から内にと考えるんです」
― いつかは監督も、と思いますか?
「口が裂けても言えないですね(笑)。監督は神聖な仕事だと思うし、作品を作って世に残るわけですから安易な気持ちじゃ出来ないし、色々な積み重ねがあって出来るものだと思うんです」
― 俳優として、舞台、映画、テレビ、何が性にあっていると思いますか?
「それ最近良く考えるんですが、ないんですね〜(笑)。その場で出会った人たちがうまくかみ合っていればどこでも行けるというか、こだわりはないんです。ただ、やっぱり映画は好きですね」
― 俳優としてのこだわりはありますか?
「俳優としては、あまり意識していたくないかなあ。観ている人と同じ目で生きていたい…そんな役者でありたいと思っています」
― 目指している俳優像はありますか? お好きな俳優さん、女優さんを教えてください。
「西島秀俊さんが好きです。西島さんの持っているスタンスというか…役者なんだけれども、もっと大きなものを信じているというか。現場で産まれた一つの奇跡のような瞬間を求めて役者をやっている、みたいなところに惹かれます」
「女優さんは、梶芽衣子さん。目力があって、男に媚びないという感じがいいですね。女優さんは、天性の品性を持っている人が好きです」
― 人のどういった部分に惹かれますか? 女性のタイプは?
「自分の意志をきちんと持っている人は信頼出来ますね。女性は…普通の人でいいんです。小さなことに幸せを感じられる人。僕も普通の人間なんで(笑)」
― 疲れた時のリフレッシュ方法は?
「寝ることですね(笑)。お酒は飲みすぎて、次の日後悔することがたくさんあるので…(笑)。後は映画を観に行くことですね。観ている2時間の間に睡眠時間7時間くらいの充実感を味わえるんですよ。その時間は夢を見させてもらっています」
― 趣味に「新宿文化探訪」とあったのですが。
「ゴールデン街のようなレトロな感じの場所が好きで、お酒を飲みに行きます。大島渚さんや寺山修二さんの映画のような、一昔前の雰囲気がいいんです。新宿は色々な個性があって、面白い街ですよね」
― 最後に、この映画を観る人へのメッセージをお願いします。
「この映画は男の子と男の子の話なんですけれども、多分こんな経験って男でも女でもあると思うんです。一人の人間として相手を尊敬していたり、すごく気になる存在だったり…。色々な人に共感してもらえる映画だと思うので、色々な人に観て欲しいと思います」
柔らかな笑顔がとても爽やかな人、という印象の河合龍之介さん。年間300本は観る! というほどの映画好きで、胸の奥にたくさんの引き出しを持っている方のようです。お話の端々から、他人への思いやりが感じられる方でした。これからの活躍を、応援して行きたい俳優さんです。
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