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村上龍のロングセラーを脚本・宮藤官九郎、監督・李相日が映画化した「69 sixty nine」。去る6月9日には、「6月9日は『69 sixty nine の日』」と題して、試写会や店頭プロモーションなどの様々なイベントがありました。その「69の日」のスタートとして、監督の李相日(リ・サンイル)、主演の妻夫木聡さん、安藤政信さんによる記者会見が行われました。



会場のディスプレイには、映画のオープニングに登場するサイケな色調のイラストが散りばめられ、「69年気分」を盛り上げます。予告編上映の後、オープニングタイトルに使われているクリームの「ホワイト・ルーム」と共に出演者が壇上に。この日の出演は李監督、妻夫木さん、安藤さん、伊地智プロデューサー、東映の坂上常務です。
最初に一人ずつの挨拶から、会見はスタートしました。

「『東映に入って初めてこんな面白い映画を担当出来る』という社員がいまして、嬉しいようながっくりするような感じです」と坂上常務。
試写が終わると、観た人がみんな側に来て「時代を話したり青春を語ったりする」のだそうで、主題歌の「いとしい人」を担当したCHEMISTRYの堂珍さんも「この映画を見るとカラオケに行きたくなる」と言ったそう。


(左から)安藤政信さん、妻夫木聡さん、李相日監督。
安藤さん、やたらと水を飲むなあとは思っていたんですが…。
興行収入は「69億お願いします」と会場の笑いを誘ったあと、「若い人だけの映画ではありません。69年に高校生だった人が奥さんを連れて来ればお二人で2000円」と7月から始まる「夫婦のどちらかが50歳以上なら2人で2000円」という「映画館に行こう!」キャンペーンの宣伝もされていました。

続いて「69」は「いつか時代がくれば映画に出来るのではないかと思っていた」と。伊地智プロデューサー。
伊地智プロデューサーは村上龍さんの映画初監督作品「限りなく透明に近いブルー」を担当して以来の仲だそうで、「この席に村上龍がいるのは当然だと思うのですが、膨大な量の原稿がメールで送られて来て、『大好きな映画だからどうしても行きたいけれど行けない』と連絡があった」と村上さんのメッセージを伝える場面もありました。

「この映画の話をいただいた時には、どうして自分に来たんだろう」と思って「日本語が分からないふりをしようかなと思った」と笑う李監督は1974年生まれ。2000年の「ぴあフィルムフェスティバル」で各賞を総ナメにし、今作がメジャー第1作目。坂上常務が「これから必ず出てくる監督」、「作品をではなく、監督を観に来るという人がこんなに多いのは珍しい」とコメントした映画界期待の若手監督です。
「69」を監督するにあたって、「69年には生まれていないという話を誰にでもされた」そう。でも「言いたいこと言ったりやりたいことやったりしようとすると自己批判を求められるような今の世の中に対して、そうじゃないんだと言うような」、現代の若者にも共通する部分で映画を作りたかった、と語りました。


主人公・ケンを演じた妻夫木聡さんは、「初めて台本で声をあげて笑ってしまった」そうで、「李監督の作品は観ていたので、この監督がどうやってこの作品を撮るのか大変楽しみだった」。監督については「実際会ってみると『一緒にやっていこうね』という、監督と役者という感じではない人」。

また共演の安藤政信さんについては、「最初に会ったときから『この人とは合うな』と思った。撮影中ずっといっしょにいたんですけれど、気づいたら撮影が終わっても一緒にいて、焼肉ばっかり食べていた」というコメント。
妻夫木さんは「69」が村上龍さんの学生時代をモデルにした話だと聞いて、「こんな話が本当にあったのって思った」のだとか。実際村上さんに会って当時の話を聞いた妻夫木さんは、最初60年代に持っていた暗いイメージが全く変わってしまったそう。
「当時の人も今の人も根本的な部分は変わらない、若さというパワーは何にも負けないんじゃないか」と思ったという妻夫木さん。ケンを演じるにあたっては、「今生きてる意味、というか。俺はここにいるよ、という強さみたいなものを出せたらいいかなと思って演じた」とのこと。
「何でオレ語ってんだろ」と笑いながら、どんどん話が広がっていく妻夫木さんはスクリーンの中のケンそのもの。
「この映画の中でも『楽しんだもの勝ち』っていうセリフがあるんですけれど、楽しむことがいっぱいある、久しぶりに声をあげて笑える映画になったんじゃないかなと思います。楽しんだもの勝ちです。ぜひ楽しんでください」。そんな言葉で挨拶を締めくくりました。


ケンの相棒・アダマを演じた安藤政信さんは、開口一番「緊張して、気絶しそうな感じなんですけれども」と、うつむきがちでとてもシャイ。
「台本が本当に面白くて、絶対自分がやりたいなと思ったんですけれども、高校生の役を28にしてやるのはどうかなと思った」そうです。また李監督のことは全く知らなかったという安藤さんは、撮影が終わってから全部の作品を観て「あ、この人すごい監督なんだなと思って。宝捜しを自分が当てたような、この作品に出て良かったなっていう感じだった」そうです。
会見のスタート時から、テーブルに置かれたグラスの水をやたらと手に取っていた安藤さん。ここでどうも水がなくなってしまったらしく、挨拶が終わった後マイクに向かって「水もらえますか」と発言して会場は大爆笑! 「こんなにたくさんのカメラ、初めてで」と本当に緊張しているようで驚きました。


ここで会場からの質疑応答に。
まず「共演の感想やお互いの印象は?」という質問に、「安藤さんは、すごく自由な人だな、と。考えも行動もすべて」と妻夫木さん。具体的には、と聞かれて「どんな感じって、こういう感じです。『水ください』って言っちゃうような。いい人です(笑)」。
一方安藤さんは、「僕はただいるだけでいい、っていうか。楽な感じ。佐世保に入って最初の日に一緒に飲んで、この人で大丈夫かな、大丈夫だな、この人だったらうまく行くなって思いました」。
実は妻夫木さん、ホテルの安藤さんの部屋があまりに汚いので、2度ほど一緒に片付けてあげたんだとか。妻夫木さんが「片付けられないんだよー」と安藤さんの口真似をしたりする場面もあって、本当に仲が良さそう!

妻夫木さん演じるケンは、女性にモテたい願望がとても強い高校生。「高校生の時は、やっぱりモテましたか? 女性の目を引く努力をした経験は?」と聞かれて、「そりゃあ、モテたいですよ? ねえ?」と監督やプロデューサーに話を振ろうとする妻夫木さんに、また会場から笑いが。
「工業高校だったんで、女がいなかったんですよね」と淡々と答えたのは、安藤さん。「まあ、ドラマとかにも進出して、抱かれたい男ナンバーワンとかなりたいな、とか。これから考えます」と冗談かどうか微妙なコメントでした。


「69」の撮影は去年の夏の佐世保。「メイクしても10分たったらチャラになってる」と妻夫木さんが言うように、とても暑い中での撮影だったようです。
「一番大変だった場面は?」という質問に、「全部ですね」と李監督。「それはもう、僕より二人のほうが詳しいというか。24時間体制で撮影してたんで」。
短期間のスケジュールの上に、監督のこだわりでどんどん撮影時間が延びて行ったそう。朝から朝まで、が当たり前の現場では暑さと睡眠不足で倒れるスタッフも続出したとか。
テンション高く、話がどんどんふくらんでいく妻夫木さんはまさにケン!
会見が進むにつれ、だんだん饒舌になった安藤さん。
なぜか直立不動で、まるで廊下に立たされた高校生。カメラマン陣から「もうちょっと…」と言われまくりのお二人でした。
「時間との戦いですね、本当に厳しかったんで。本当に寝ないで24時間撮影したこともあるし」と妻夫木さん。「夜食休憩が2時半とかなんです、でも楽しかったんですよ」と言いながらも、李監督を見ながら「李さんもたまに寝てましたよね。本番の時」とニヤリ。すると安藤さんが「寝れなくて24時間ずっと撮影して、一生懸命やってんのにモニターの横で李さんが寝てて『ふざけんなよ!』って(笑)」。
「本当に寝てたんですよ。俺が寝たいよ」という安藤さんと「ふっと落ちちゃって」と苦笑いの監督に、会場が爆笑。だんだんとテンションの上がって来た三人の会話は、まるで映画の中の高校生のようです。
「本当に過酷な中を、この三人で戦い抜いた」と言う安藤さん。妻夫木さんも安藤さんも、歳の近い李監督を「李さん」と呼ぶのが、とても印象的でした。

「この映画の良さを親しい人に宣伝するとしたら何といいますか」と聞かれて、妻夫木さんは「難しいですねえ」としばらく考え、「観てくれ、というしかないんじゃないでしょうか。本当に笑える映画だから、何も考えずに観に来てくれよって」。
安藤さんも「親しい人…」としばらく無言で、「観るなとも言えないですから、観てくれって言うしかないですねえ」と答え、また会場に笑いが。
会見が進むにつれて壇上のテンションもどんどん上がって、飛び出すコメントに笑いの絶えない、とても楽しい記者会見でした。


「69 sixty nine」は、原作の持つ魅力を宮藤官九郎が余すところなくすくい上げ、李監督が画面からあふれそうな勢いのある映像として作り上げた、幸せな作品。
「やっぱり映画って、映画館に足を運んで、真っ暗い中で集中して観て欲しいなって思います」とは安藤さんのコメントですが、69年を知っている人も知らない人も、このパワーはスクリーンで受け止めて欲しい! そう思える映画です。

撮影:福住 佐知子
取材:WebStyle
2004/6/9 帝国ホテル(千代田区)

69 sixtynine シクスティナイン [この映画の詳細はこちら]

2004年7月10日(土)より、全国東映系にてロードショー


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プレゼントの応募は締め切りました。
沢山のご応募、ありがとうございました。



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